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Lightroom ClassicがSEL2070Gに対応

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All Photo by inos

2023年4月18日リリース(バージョン 12.3)のAdobe Lightroom Classicで私が愛用するソニーSEL2070Gレンズのプロファイルに対応してくれました。それでどんなメリットがあるの? と聞かれればレンズの歪曲収差が一発でほぼ完璧に補正できます。

SEL2070Gを購入した直後の2月のブログに歪曲収差に関しての報告とそれをAdobe Lightroom Classicで補正する際のパラメーターに関して書いていますが、当時はあくまでLightroomが最新レンズのレンズプロファイルに未対応だったから必要だった手段であり、今回のソフトウェアバージョンアップにてそれが必要無くなった事になります。

ではレンズプロファイルって一体何なの? という事になりますが、簡単に言ってしまえばそのレンズの光学特性から生じる収差をまとめた情報でして、各レンズメーカーはこの情報をRAW現像ソフトのベンダーに提供するわけです。あとは現像ソフトのベンダーがそのプロファイルを実装してくれさえすれば、エンドユーザーは撮影したファイルのRAW現像作業時に該当プロファイルを適用する事でレンズの光学的な収差を簡単に補正できます。

とまあ理屈はこれくらいにして、早速検証作業をしてみました。先日撮影した写真で見た目は全く面白くありませんが歪曲収差を確認するには最高の被写体です。α7RⅡカメラ設定にてRAWとJPEGを同時記録し、そのうちのRAWデータのオリジナル画像が本日一枚目に掲載したもの。現代のレンズとは思えないくらい樽型の収差が出ているのが分かります。

二枚目のこちらの画像はカメラ内で同時記録したJPEG画像。α7RⅡのカメラ設定でレンズ補正を「入」にしていますので、RAWとは対照的にこちらは真っ直ぐなものがほぼ真っ直ぐに写っているのが分かります。

この見栄えは撮影後のJPEGだけでなく、カメラの背面液晶やEVFのライブビューにもリアルタイムで反映されていますので、撮影時にレンズの樽型収差を感じることはありません。逆にいうとこの見栄えで撮れていると思って帰宅後にRAWファイルを開いてみるとびっくり、本日一枚目に掲載した樽型画像が現れる事になります。

つまりこういう事です。Adobe Lightroomに代表されるRAW現像ソフトに早く最新のレンズプロファイルが入ってくれないか!と首を長くして待っていたのは私のようにRAW撮影を前提とするユーザーのみ。JPEGでしか撮影をしていないという人であればSEL2070Gで歪曲収差が激しく発生することすら気づいていないかもしれません。それはそれで良いのですけど。

というわけで、RAW撮影のデータで激しく樽型に変形したままでは写真としてちょっとアレなので何とか補正しなければなりません。そこでレンズプロファイルに対応していなかったこれまでのLightroom Classicではゆがみ補正パラメーターを操作してどうにか理想に近づける努力をしてきました。その数値に関しても前回の記事で書いたとおりです。

歪曲収差が盛大に発生する焦点距離20mmではゆがみ補正値+50まで振って上の写真にするのがやっと。ここまで補正できれば真っ直ぐなものを斜めに撮っているくらいなら樽型の歪みも気づかないレベルですが、こうして正面からきっちり狙ってしまうとどうしても四隅の吊り上がりが気になるところ。この吊り上がりを手動で直すのは結構大変な作業でLightroomでは完結せず、Photoshopに移行してからの微調整が必要でした。

はい。こちらが今回リリースされた最新バージョンのLightroom Classicでレンズプロファイルを適用したもの。どうですか、同時撮影したカメラ内レンズ補正の掛かったJPEGと比較しても引けを取らないと思います。

とは言え、プロファイルを適用しただけだとまだ僅かに補正が甘い気がしたので私はほんの僅かに手動の歪み補正を組み合わせてこの結果に辿り着いています。実際は手動補正などしなくても良いレベルなんですけどね、JPEGファイル以上の結果が出せるかな? と思いギリギリまで追い込んでみた次第です。ここまで補正できれば単焦点レンズ並みの精度と言っても過言ではないと思います。

レンズプロファイルに対応してくれたおかげでこの結果がいとも簡単に手に入るようになりました!

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