Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

北海道短期集中観光 2023.5(5)

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All Photo by inos

北海道旅2日目は、網走と知床の手前までの工程を計画。まずは初日の宿泊先となった阿寒湖から網走まで約100kmのドライブ。

ちなみに網走迄のルート選択を工夫すれば道中に摩周湖へ立ち寄る事も可能ですが、その場合最短コースと比較して移動だけでプラス1時間、観光時間も含めると1時間半から2時間余計に必要となるため、今回摩周湖観光は断念しました。振り返ると毎回そう言った理由で摩周湖をパスしているので、いまだに摩周湖を見た事がありません...。

上の写真は網走の手前の女満別メルヘンの丘。北海道らしい風景ですね。

網走といったらここでしょう。網走刑務所。正確には ”博物館網走監獄” と呼ぶらしい。そりゃそうですね、現行の網走刑務所はこことは別の場所に実在するわけで、観光地としての通称網走刑務所は博物館なわけです。

正門付近で観光地お決まりの ”スタッフによる有料写真撮影” が行われたあとは国の重要文化財に指定されている庁舎が目の前に見えてきました。桜の向こうに見えてくる様はまるで地方の学校みたいですが、ここはそんな生ぬるい施設ではなかったはずですよね。

網走刑務所の中にはこうした小屋の中で生活する様子を展示した施設がいくつもあります。以前ここを訪れた際は疑問に思わなかったのですが今回改めてこの様子を見て気になる点が。

囚人たちは常日頃は監獄の中に閉じ込められていたはず、とするとこの小屋はいったいどういった生活を描いたものなのか? 各施設にある説明書きを隅々まで読んでいればそんな疑問には繋がらないのでしょうが、私の場合、説明書きより目の前の展示の方に目がいってしまうので、正直展示内容の半分も意味が理解できていなかったりするのです。

そしてその答えは、受刑者が塀の外に出て日帰りできない作業をする場合にこのような休泊所と呼ばれた仮小屋で寝泊まりしたとの事。札幌と網走を結ぶ中央道路の開削にあたり延べ1,000人以上の受刑者が投入され工事の進行に伴い次々と休泊所を建てては移動したんだとか。

なるほど腑に落ちました。

この博物館では現在の網走刑務所の監獄食を食べる事ができます。メニュー表を見たところ、秋刀魚定食、ホッケ定食、監獄カレーの3種類から選べるようでした。囚人たちの人形と一緒のフロアーで大勢の人が食べておりました。

網走刑務所で一番有名な建物がこちら。中央見張所を中心に放射状に建つ五つの舎房からなる、超巨大な独居房の集合施設。

こればっかりは上空からドローンで撮らない限り全体像を写真に収める事が出来ずイメージを伝えづらいのですが、こうした学校の校舎のような施設が五方向に広がって建てられています。

中央の見張り部屋からの視界がこちら。五方向に広がる施設の中心に位置する事で、監視員が一人でも全ての施設の廊下を一点集中で監視する事が出来るというわけです。仮に脱獄犯がいたとしても廊下を歩いていればすぐに発見されてしまうわけですね。

独居房の中は3畳くらいの狭いスペースで最低限人が生きるだけの環境しか与えられていません。それでも札幌と網走を結ぶ中央道路の工事に駆り出されるよりはこちらに閉じ込められている方が幸せだったのでしょうか。工事に駆り出された人は220人ほどが命を落としたと言われていますから。

悪いことをしたら閉じ込められます。心から反省し罪を償う努力をしなければ出してはもらえません。

これだけしっかりした施設でありながら、過去には何人かの受刑者が脱走を試みたといいます。鉄格子に根気よく味噌汁をかけ続け、ボルトが緩んだところで鉄枠を外し、縦約20センチの視察口から抜け出すために自分の肩を外して脱走した人の話は有名ですね。その後、廊下から天窓に上がり採光硝子を頭で突き破って...と言われていますから、まさに上の写真で逃げ出そうとしている人がその人物かと。

20cmの鉄枠と言わずとも、普通サイズの窓さえも普通の人が逃げ出すことは出来ないでしょう。この博物館の建物が当時のものを再現して建て直されたものなのか、それとも当時のままを残しているのか分かりませんが、どこもかしこも非常に頑丈に作られていて道具なしには扉一つ開けることは出来ないです。

現代の刑務所はここまで過酷な環境というのはないと思いますがどうなんでしょう? どちらかというと刑務所の中の環境より、そこに収容されている凶悪犯同士の人間関係の方が怖かったりしそうな...。

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